ServBayでYarnを使ったNode.jsパッケージ管理
ServBayは強力なローカルWeb開発環境であり、Node.jsのサポートを標準で備えています。Yarn
はFacebookが開発した、高速・信頼性・安全性に優れたパッケージ管理ツールで、npm
と似ていますが、依存関係のインストール速度が速く、オフラインサポートも充実し、より安定した依存関係解決を提供します。ServBayのNode.js環境でYarn
を使うことで、開発者はプロジェクト依存の管理を効率的に行い、開発生産性を向上させることができます。
前提条件
Yarnを利用する前に、ServBayでNode.jsパッケージがインストールされ有効化されていることをご確認ください。ServBayのパッケージ管理機能を使えば、Node.jsのバージョン切り替えやインストールを簡単に行えます。
Yarnのインストールと有効化
ServBayからインストールしたNode.jsパッケージには、通常、Corepack
が付属しています。CorepackはNode.jsの実験的ツールで、npm・Yarn・pnpmなどパッケージマネージャーの管理・配布を担います。Corepackにより、必要なバージョンのYarn利用や、自動インストールが容易になります。
Yarnがインストール済みかの確認
Yarn利用前に、ServBay環境でYarnが使えるかどうかを確認します。ターミナルを開き、次のコマンドを実行してください:
yarn -v
Yarnがインストールされ、システムPATHに含まれていれば、以下のようなバージョン番号が表示されます。
1.22.19
または、それ以上のバージョン。
CorepackによるYarnのインストール・アップデート
初めてyarn
コマンドを実行した際、Corepackが特定バージョンのYarnインストールを要求する場合、次のようなプロンプトが表示されることがあります:
$ yarn -v
! Corepack is about to download https://registry.yarnpkg.com/yarn/-/yarn-1.22.22.tgz
? Do you want to continue? [Y/n]
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これは、Corepackが指定されたYarnバージョンをダウンロード・インストールして良いか確認しています。Y
を入力してエンターを押してください。ダウンロード完了後、Corepackは自動的にYarnを使用し、バージョンを出力します:
1.22.22
npmによるYarnの手動インストールまたはアップデート
もしCorepackのプロンプトが表示されなかったり、npmからグローバルでYarnをインストール・アップデートしたい場合、以下のコマンドを使用してください:
npm install -g yarn
このコマンドはグローバルnpmでYarn実行ファイルを導入または更新します。
インストール・更新完了後、再度バージョンを確認してYarnが有効化・更新されていることをチェックします:
yarn -v
この手順でYarn
が正しくインストールされ、最新バージョンとしてServBay環境で利用できる状態になったことを確認できます。
Yarnのメリットと基本的な使い方
Yarn
は、依存関係の高速インストール、優れたオフラインサポート、信頼性の高い依存解決が特長です。主なYarnコマンドを以下に紹介します。
新規プロジェクトの初期化
プロジェクトのルートディレクトリで、Yarn
を使い新しいNode.jsプロジェクトを初期化し、package.json
を作成します:
yarn init
プロンプトに従ってプロジェクト情報を入力すると、package.json
ファイルが生成されます。
プロジェクト依存関係のインストール
package.json
があるプロジェクトディレクトリ内で依存パッケージをまとめてインストールします:
yarn install
このコマンドは、package.json
とyarn.lock
記載の全依存をnode_modules
にインストールします。
新しい依存パッケージの追加
新しい本番用依存パッケージ(dependencies
に追加):
yarn add lodash
新しい開発用依存パッケージ(devDependencies
に追加):
yarn add --dev jest
グローバル依存パッケージの追加(一般的には推奨されません。npxやグローバルインストールツールの利用を推奨):
yarn global add <package-name>
依存パッケージの削除
プロジェクトから依存パッケージを削除:
yarn remove lodash
このコマンドでプロジェクトからlodash
が削除され、package.json
とyarn.lock
も自動更新されます。
プロジェクト依存パッケージのアップデート
package.json
の条件に合致する最新バージョンへ、すべての依存パッケージを一括更新:
yarn upgrade
メジャーバージョンやマイナーバージョン、パッチ含めて最新へ更新したい場合はyarn upgrade --latest
や、yarn-upgrade-all
などのツールと組み合わせて利用します。
プロジェクトスクリプトの実行
Yarn
では、package.json
のscripts
フィールドに任意のコマンドを登録し、開発サーバの起動、テスト実行、ビルドなど様々なプロジェクト固有作業を簡単に実行できます。
たとえば、package.json
に以下のようなスクリプトを定義:
"scripts": {
"start": "node app.js",
"test": "jest",
"build": "webpack --config webpack.config.js"
}
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それぞれ次のコマンドでスクリプトを実行できます:
yarn start
yarn test
yarn build
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その他のよく使われるYarnコマンド
グローバルパッケージのインストール:
bashyarn global add <package-name>
1例:
create-react-app
の全体インストールbashyarn global add create-react-app
1グローバルパッケージの一覧表示:
bashyarn global list
1キャッシュのクリア:
Yarn
はダウンロード済みパッケージをキャッシュしており、再インストールの高速化を図っています。万一キャッシュに問題が生じた場合は、以下でキャッシュ消去が可能です:bashyarn cache clean
1Yarn v2以降ではキャッシュクリアのコマンドが異なる場合があるため、バージョン固有のドキュメントもご参照ください。
まとめ
ServBayでNode.js環境にYarnを正しく導入・活用することで、開発者は依存関係管理の効率と安定性を大幅に向上できます。新規プロジェクトの立ち上げ、依存パッケージの追加・更新、カスタムスクリプトの実行など、Yarnは迅速かつ信頼できる解決策を提供し、現代のNode.js開発に欠かせないツールです。ServBayの便利な環境とYarnの強力な機能を組み合わせれば、ローカル開発ワークフローがさらに快適になります。