PHP拡張モジュール一覧と管理(ServBay内蔵)
ServBayは、各PHPバージョンごとに多くの定番PHP拡張モジュールをプリインストールしたパワフルなローカルWeb開発環境です。ServBayの便利なグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を使えば、php.ini
ファイルを手動で編集する必要なく、これら内蔵拡張を簡単にオン・オフできます。PHP開発環境の構築や設定が圧倒的にシンプルになります。
ServBayで内蔵PHP拡張モジュールを管理する方法
ServBayのGUIからPHP拡張を管理することで、プロジェクトごとの要件に応じた素早い環境調整が可能となります。
拡張管理画面へのアクセス
お使いのPHPバージョンの拡張管理パネルを開くには、以下の手順で操作してください。
- ServBayアプリケーションを起動します。
- メイン画面の左側ナビゲーションから**パッケージ(Packages)**をクリック。
- 右側のパッケージ一覧から、設定したいPHPバージョン(例:PHP 8.3)を選択します。
- 選択したPHPバージョンをクリックして詳細設定エリアを展開し、Extensionタブを開きます。
代表的な内蔵拡張の紹介
Extensionタブでは、そのPHPバージョンで利用可能な内蔵拡張が一覧表示されます。代表的な拡張モジュールと概要は以下の通りです。
- MongoDB: PHPからMongoDBデータベースとのやり取りを可能にします。
- OPcache: 事前コンパイル済みのスクリプトバイトコードを共有メモリに保存し、PHPスクリプトの実行性能を大幅に向上させます。オンにすると、メモリ制限やファイル数などのパラメータ設定が可能です。
- Phalcon: C言語で実装された高性能フルスタックPHPフレームワークです。
- Redis: PHPでRedisキー・バリューストアと通信するための拡張。
- SCWS: 中国語の分かち書き用拡張。
- Swoole: 高速・非同期・イベント駆動型のPHPネットワーク通信フレームワーク。
- Xdebug: 強力なPHPデバッグ、プロファイリング、コードカバレッジ解析ツール。オンにした後、デバッグモードやクライアントポートなど、連携用に追加設定が必要です。
ご注意: 利用できる内蔵拡張のリストや設定項目は、ご利用のPHPバージョンやServBayのアップデートにより異なる場合があります。
拡張モジュールを有効・無効にする
Extensionタブでの拡張管理はとても直感的です。
- 有効化・無効化したい拡張を見つけます。
- 各拡張の横に**トグルスイッチ(切替ボタン)**があります。
- スイッチが青色(または塗りつぶし)なら、その拡張は有効化されています。
- スイッチがグレー色(または枠線のみ)なら、その拡張は無効化の状態です。
拡張の追加設定(該当する場合)
一部の拡張(OPcache、Xdebug など)は有効化後、右側に追加の設定項目が表示されます。
- ServBayの画面上から、たとえばOPcacheの共有メモリ容量やXdebugのデバッグポート・モードなど、すぐに調整できます。
変更の保存と自動適用
- 拡張の有効・無効やパラメータを調整した後は、画面右下のSaveボタンを必ずクリックしてください。
- 重要: Saveを押すと、ServBayは関連するPHPサービス(通常はPHP-FPMまたはApache/Nginxモジュール。設定による)の再読み込みや再起動を自動的に実行し、即座に変更内容が反映されます。サービスを手動で停止・起動する必要はありません。
変更が反映されたかの確認方法
ServBayは自動で環境を反映しますが、下記の方法でも拡張が有効化・無効化されたかご確認いただけます。
phpinfo()
関数を使う: Webサイトのルート(例:/Applications/ServBay/www
内のプロジェクトなど)に、<?php phpinfo(); ?>
だけ記述したPHPファイルを作成。ブラウザでそのファイルにアクセスし、「有効化・無効化」した拡張の名前で検索してください。該当拡張が読み込まれていれば、設定情報が表示されます。- コマンドラインで確認: ターミナルを開き、現在のPHPバージョンで読み込まれている全モジュールの一覧を下記のように表示できます(パスの
8.3
の部分はご利用のPHPバージョンに置き換えてください)。bash出力リストに変更した拡張の名前が含まれているかチェックしましょう。/Applications/ServBay/package/php/8.3/current/bin/php -m
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重要:内蔵拡張とサードパーティ拡張の違いについて
- ServBayのExtensionタブで管理できるのは、ServBayがプリビルド・統合している一般的な内蔵拡張のみです。
- サードパーティPHP拡張(例: 特定バージョンのionCube Loaderや、ServBayで内蔵されていない
.so
ファイル)を追加したい場合は、ServBayのドキュメント「サードパーティPHP拡張の読み込み方法」をご参照ください。通常、拡張ファイルを指定のディレクトリへ配置後、PHPバージョン設定画面のAdditional Parameters欄にextension=
やzend_extension=
指示を手動で加えます。手動設定後もSaveボタンを押せば、ServBayが自動でサービスを再起動し、これら拡張を反映します。
ServBay内蔵PHP拡張モジュールの全一覧
ServBayには現在、以下のPHP拡張モジュールが内蔵されています。サポート状況やバージョンの詳細は、ご利用のServBayやPHPバージョンによって異なります。各PHPバージョンごとの最新の内蔵拡張リストはServBay公式パッケージページをご覧ください。
以下はServBayにプリインストールされている主なPHP拡張の一覧です。
- apcu
- bcmath
- bz2
- calendar
- Core
- ctype
- curl
- date
- dba
- dom
- exif
- fileinfo
- filter
- ftp
- gd
- gettext
- gmp
- hash
- iconv
- imagick
- imap
- intl
- json
- ldap
- libxml
- mbstring
- memcache
- memcached
- mongodb
- mysqli
- mysqlnd
- openssl
- pcntl
- pcre
- PDO
- pdo_mysql
- pdo_pgsql
- pdo_sqlite
- pgsql
- phalcon
- Phar
- posix
- random
- readline
- redis
- Reflection
- scws
- session
- shmop
- SimpleXML
- soap
- sockets
- sodium
- SPL
- sqlite3
- standard
- swoole
- sysvsem
- sysvshm
- tidy
- tokenizer
- xdebug
- xml
- xmlreader
- xmlwriter
- xsl
- Zend OPcache
- zip
- zlib
ServBayを利用すれば、ご自身のローカル開発プロジェクト用に必要なPHP環境のカスタマイズ・拡張の有効化が簡単かつ迅速に行え、効率的かつ柔軟な開発環境を実現できます。