ServBayのDNSサービス(dnsmasq)の設定
ServBayは組み込みのdnsmasqサービスを活用し、開発者に対して強力かつ柔軟なローカルDNS解決機能を提供します。これは、ローカル開発用ドメイン名(例えば .servbay.demo
サフィックスのドメイン)の管理や、その他のDNSリクエストの転送制御に不可欠です。
本記事では、ServBayでのdnsmasq設定方法について、特に推奨されるユーザーインターフェースからの操作と、関連する設定ファイルの場所について詳しく解説します。
重要なお知らせ
ServBayはdnsmasq.conf
やdomains.conf
などのdnsmasq設定ファイルを自動的に管理しています。これらのファイルを直接手動で編集しないでください。ServBayは、ユーザーインターフェースでの設定や内部ロジックに基づいて、これらのファイルを定期的に更新・上書きしますので、手動の変更は失われたり予期せぬ動作の原因となります。
すべての推奨されるdnsmasq設定は、ServBayのユーザーインターフェースを通じて行ってください。
dnsmasq設定ファイルの場所(ServBay管理下)
ServBayが自動生成するdnsmasqの設定ファイルは/Applications/ServBay/etc/dnsmasq
ディレクトリ内にあります。これらのファイルの場所を把握しておくことでServBayのDNS管理方法が理解しやすくなりますが、手動で編集しないようご注意ください:
dnsmasq.conf
:ServBayが全体設定に基づいて自動生成するメインの設定ファイルです。domains.conf
:ユーザーインターフェースで追加したローカルドメイン名解決レコードを保存するためにServBayが管理している専用ファイルです。
ServBayユーザーインターフェースでdnsmasqを設定する
ServBayは、dnsmasqの主要設定を直感的に管理できるユーザーインターフェースを提供しています。
上流DNSサーバーの設定
上流DNSサーバーを設定することで、ServBayローカルで解決できないドメイン名のリクエスト(つまりServBayで設定されていないローカル開発用ドメイン以外)をどのように処理するか制御できます。これらのリクエストは、指定した上流DNSサーバーに転送されて解決されます。
- ServBay管理画面を開きます。
- 上部メニューの「設定」をクリックします。
- 「DNS転送」タブを選択します。
- この画面で、上流DNSサーバーのアドレスを追加、編集、削除できます。
デフォルトでは、ServBayは現在のネットワーク環境(通常はDHCPで割り当てられる)から自動的に上流DNSサーバーのアドレス(例:192.168.0.1
や10.0.0.1
)を取得します。必要に応じて、Google DNS(8.8.8.8
/8.8.4.4
)、Cloudflare DNS(1.1.1.1
/1.0.0.1
)などのパブリックDNSや、その他の社内DNSサーバーへ変更できます。
ローカルドメイン名の解決を管理
ServBayは、ローカル開発プロジェクト用にカスタムドメインを簡単に設定し、それらをローカルIPアドレス(通常は127.0.0.1
)に解決することを可能にします。これらの設定内容は、domains.conf
ファイルに自動的に反映されます。
例えば、myproject.servbay.demo
を 127.0.0.1
に割り当てることで、ブラウザからそのドメイン名でローカルプロジェクトへアクセスできます。
ローカルドメイン名解決の詳細な設定手順は、以下のドキュメントを参照してください:
ご注意: ドキュメントローカルDNSサービスの管理で紹介されている方法が、ローカルドメイン名解決を設定する正規かつ推奨されるやり方です。domains.conf
ファイルを直接編集することは避けてください。
dnsmasqサービスの再起動
ServBayのユーザーインターフェース上でdnsmasqの設定(例えば上流DNSの変更やローカルドメインの追加等)を変更した場合、新しい設定を有効にするためにdnsmasqサービスの再起動が必要です。
ServBayの管理画面またはservbayctl
コマンドラインツールを使ってdnsmasqを再起動できます。
ServBay管理インターフェースから再起動
- ServBay管理画面を開きます。
- 左ナビゲーションメニューから「パッケージ」をクリックします。
- パッケージ一覧で「dnsmasq」を見つけ、横の「再起動」ボタンをクリックします。
servbayctlコマンドラインツールで再起動
ターミナルアプリを開き、servbayctl
コマンドを利用してdnsmasqサービスを簡単に再起動できます:
servbayctl restart dnsmasq -all
-all
オプションは、関連する依存サービス(該当する場合)も考慮対象としますが、dnsmasq単体の再起動であれば主にdnsmasqプロセス自体の再起動となります。
まとめ
ServBayは組み込みdnsmasqサービスによって、ローカルDNS解決の中核的な機能を提供しており、効率的なローカルWeb開発には不可欠です。上流DNSサーバー指定やローカル開発用ドメイン名の管理など、dnsmasqの主要な設定は常にServBayのユーザーインターフェースから行うことを推奨します。dnsmasq設定ファイルを直接手動で編集しないでください。ServBayが自動で管理しています。設定変更後は、必ずServBayの管理画面またはservbayctl
コマンドラインツールでdnsmasqサービスを再起動し、設定が反映されていることをご確認ください。