ServBay Development Library
ServBay Development Libraryは、ServBayが提供する主要な開発リソースのセットです。.h(ヘッダファイル)、.a(静的ライブラリ)、.la(libtoolライブラリ)など、開発に必要な各種ファイルを中心に構成されています。ServBay環境でのカスタムソフトウェアパッケージのコンパイルや特定モジュール構築を目指す開発者向けに設計されており、ServBay内部のコンポーネントとの互換性を確保するための必要な開発資源を提供します。
TIP
開発者向け: この開発ライブラリは、ServBay環境と統合するためのソフトウェアやモジュールのコンパイルが必要な上級ユーザー向けです。ServBayを日常的な用途(ウェブサイトやデータベースの運用等)で利用する場合、この開発パッケージをインストールする必要は通常ありません。
概要
ServBay Development Libraryは、ServBay環境内で利用される各種ソフトウェアパッケージ(PHP、PostgreSQL、OpenSSLなど)の開発用ヘッダーファイルやライブラリファイルを提供します。ServBayの特定バージョンのソフトウェアパッケージに依存したプログラムやモジュール(例:ServBay内のPHPバージョンと連携するPHP拡張など)をコンパイルする際、これらのファイルは不可欠です。これらを使うことで、作成したコードがServBay環境内のソフトウェアパッケージと正しく連携できます。
利用シーン
この開発ライブラリが主に活用される開発者向けシーンは次の通りです:
- カスタムPHPモジュール/拡張のコンパイル: ServBay内の指定バージョンPHPを使い、公式リポジトリ非掲載のPHP拡張をコンパイルしたい場合、ServBay Development LibraryのPHPヘッダー・ライブラリファイルが必要です。
- カスタムPostgreSQLモジュール/拡張のコンパイル: PHPと同様、PostgreSQLの拡張や独自関数をコンパイルする際も対応ヘッダーやライブラリファイルが必要で、開発ライブラリに含まれています。
- ServBayパッケージ依存プログラムのコンパイル: C/C++等のプロジェクトで、ServBay内のOpenSSL、cURL、GDなど特定のライブラリをリンクする場合、この開発ライブラリを活用できます。
- ServBay向け新規パッケージの構築: ServBayの上級ユーザーとして、環境に新しいソフトウェアパッケージを追加したり、既存パッケージを更新したい場合も、本開発ライブラリは構築工程の重要な依存要素です。
具体的なコンパイル方法については、以下の応用ガイドもご参照ください:
前提条件
ServBay Development Libraryを使って開発・コンパイルするには、次の前提が必要です:
- C/C++または利用するモジュールの言語の基礎知識
- 一般的なコンパイルツールチェーンやビルドシステム(make、autoconf、pkg-config等)に慣れていること
- 必要なコンパイルツールがシステムにインストールされていること:
- macOS: Xcode Command Line ToolsまたはXcode本体
- Windows: Visual Studio Build ToolsまたはVisual Studio Community
インストール方法
ServBay Development Libraryのインストールはとても簡単で、ServBayアプリのUIから行えます:
- ServBayアプリを起動します。
- 左サイドバーのソフトウェアパッケージページへ進みます。
- 共通パッケージタブを選択します。
- リストからServBay Development Libraryを見つけます。
- 右側のインストールボタンをクリックします。
ServBayは、必要な開発資源を自動的にダウンロードし、ServBay環境にインストールします。
インストールが完了すると、ヘッダーやライブラリファイルはServBayインストールディレクトリの指定場所へ配置されます:
- macOS:
/Applications/ServBay/
内部 - Windows:
C:\ServBay\
内部
コンパイル時は、適切なインクルードパス(-I
)やライブラリパス(-L
)を指定してこれらのファイルを利用できます。詳細なパスはServBayの公式ドキュメントや各パッケージのビルドガイドを参照してください。
まとめ
ServBay Development Libraryは、ServBay環境での高度な開発を支える強力なツールです。カスタムモジュールの構築や、ServBay内蔵ソフトウェアパッケージと深く連携した開発には、本開発ライブラリの導入が最初の一歩となります。