パッケージおよびサービス管理
ServBayは、開発者向けに包括的で使いやすいローカルWeb開発環境の管理ツールを提供します。本記事では、ServBayでさまざまなパッケージやサービス(Nginx, Caddy, ApacheなどのWebサーバー、MySQL, PostgreSQL, MongoDBなどのデータベース、Redis, Memcachedなどのキャッシュサービス、PHP, Node.js, Python, Go, Java, Ruby, Rustなどのプログラミング言語ランタイム等)の管理方法を詳細に解説します。ServBayの多様なインターフェースを使い、開発環境コンポーネントを手軽かつ柔軟にコントロール・インストール・更新・保守する方法を学びましょう。
クイックサービス管理
ServBayでは、コアサービスの動作状況を素早く制御できる便利な方法が複数用意されています。
1. macOSメニューバー
macOSの画面右上にあるメニューバーのServBayアイコンをクリックすると、クイックサービス管理用のパネルが開きます。主な機能は以下の通りです。
- サービス状況の確認:Webサーバーやデータベースなど、主要サービスの稼働状況を一目で把握。
- サービス起動:起動ボタンで、すべての有効なコアサービスを素早く立ち上げ。
- サービス停止:停止ボタンで、稼働中のコアサービスを一括で停止。
- サービス再起動:再起動ボタンで、稼働中のコアサービスを一括で再起動。
- キャッシュクリア:Redisのキャッシュをクリア。
- お気に入りサイト:頻繁にアクセスするサイトをスター付きで登録し、ワンクリックでアクセス。
- データベースツール:各種データベース管理ツールを即座に起動。
- 全サービス停止&終了:ServBay稼働中の全サービスを停止し、完全にアプリを終了。
2. ServBayダッシュボードホーム
ServBayアプリのダッシュボードホームには、コアサービスを簡単に管理できるボタンが集約されています。主な操作は以下の通りです。
- サービス状況の確認:現状の稼働サービスを確認。
- サービス起動:すべての有効なコアサービスを素早く起動。
- サービス停止:稼働中サービスの一括停止。
- サービス再起動:稼働中サービスの一括再起動。
- ログ表示:サービスのログをワンクリックで確認し、トラブルシュートの助けに。
3. ServBayアプリ右上グローバルコントロール
ServBayアプリウィンドウ右上には、グローバルなサービス制御ボタンが設置されており、どの画面からも操作可能です。主なクイック操作は以下の通りです。
- クイック操作:コアサービスの一括起動・停止・再起動のオプションを提供。
パッケージおよび詳細サービス管理
ServBayのパッケージ
ページでは、パッケージのインストール・アップデート・アンインストール、サービスの詳細な状態確認や制御が可能です。
パッケージリストの確認
パッケージ
ページには利用可能なすべてのパッケージ(Webサーバー、データベース、キャッシュ、ランタイムなど)が一覧表示されます。各パッケージには下記の情報が表示されます。
- 現在のバージョン:ローカルServBay環境にインストールされているバージョン。未インストールの場合は「-」。
- 最新バージョン:オンラインリポジトリで入手できる最新バージョン。現在のバージョンが異なる場合、更新可能です。
- 現在のステータス:サービスの稼働状態(例:
Running
稼働中、Stopped
停止中、Error
エラー)。 - PID:サービス稼働時は主プロセスID (Process ID) を表示。
- 自動起動ステータス:ServBay起動時にサービスを自動起動するかの設定。切替スイッチで設定変更可能。
パッケージ制御ボタン
インストール済みパッケージの右側には、個別に精密制御できるボタンがあります。
- 開始:該当パッケージのサービス起動。
- 停止:該当パッケージのサービス停止。
- 再起動:該当パッケージのサービス再起動。
- その他の操作:このボタンからログ閲覧や設定ファイル編集など追加管理オプションにアクセス可能。
パッケージのアップグレード
新バージョンが利用可能な場合、「最新バージョン」欄の隣にアップグレードの案内とボタンが表示されます。アップグレードをクリックすると最新バージョンが自動的にダウンロード・インストールされます。完了後、ServBayから案内や関連サービスの自動再起動が行われ、新バージョンの利用が保証されます。
パッケージのインストール
未インストールパッケージ(「現在のバージョン」が「-」)には、最新バージョンがあれば右端にインストール
ボタンが表示されます。クリックすると、公式リポジトリから最新版が自動的にダウンロード・インストールされます。
パッケージのアンインストール
インストール済みパッケージには右端にアンインストール
ボタンがあり、クリックでローカルServBay環境からそのパッケージと関連ファイルを削除できます。アンインストールしても、原則データベースデータなど関連データファイルは削除されませんが、各パッケージによって挙動は異なります。不要なパッケージは削除前にご確認ください。
パッケージの自動起動/無効化
自動起動
列のスイッチで、パッケージに紐づくサービスの自動起動設定が可能です。有効にするとServBay起動時にサービスも自動起動、無効にすると手動起動となります。未インストールパッケージの場合はスイッチが無効化されています。
サービスログの閲覧
稼働中サービスには右端にログアイコンがあり、クリックでそのサービスのリアルタイムまたは過去の実行ログを確認できます。トラブル時やサービス状況の把握には必須機能です。詳細はログ確認ドキュメントをご参照ください。
複数PHPバージョンの運用
TIP
PHPの詳細(インストール・設定・利用方法)はPHPの利用ドキュメントをご参照ください。
ServBayでは複数のPHPバージョンを同時にインストール・稼働可能です。これにより、プロジェクトごとに異なるPHPバージョンを柔軟に運用でき、面倒なバージョン切替ツールも不要です。デフォルトのPHPバージョンはServBayの設定
ページでCLI用に指定でき、php
コマンド実行時に使われます。設定手順はCLIバージョンのデフォルト設定ドキュメントをご参照ください。
また、PHPバージョンとモジュールページでは各バージョンで利用可能な拡張モジュール一覧が確認できます。
MySQL、MariaDB、PostgreSQLに関する特記事項
ServBayではデータベース管理も強化されており、とくに複数バージョンの共存運用に最適化されています。
- 同一ポート(例:3306)では同時に1つのMySQL、MariaDB、PostgreSQLインスタンスのみ稼働可能です。複数バージョンをインストールした場合は、異なるポートを割り当てるか、または
Skip Networking
でネットワークリスニングを止めて、ソケットファイル経由で接続してください。 - ServBayは主バージョン番号が同じMySQL/MariaDB/PostgreSQLインスタンス間でデータベースファイルを共有します。たとえばMariaDB 11.0.1と11.0.2はディレクトリを共用(主バージョン
11.0
なので)しますが、MariaDB 10.5.22と11.1.2では共有されません(10.5
と11.1
は別)。したがって主バージョン内でアップグレードや切替時はデータを共有、バージョンをまたぐ場合はデータ移行が必要です。
TIP
ServBayでのデータベースファイルの保存場所や、データ移行・バックアップについてはデータベースファイル管理&移行ドキュメントを参照してください。
このような機能により、ServBayは統合的かつ簡単に操作できるパッケージ&サービス管理ツールを提供し、ローカル開発の効率と柔軟性を大幅に向上させます。