AIゲートウェイでのチャネル管理
「チャネル(Channel)」とは、AIゲートウェイにおける各AIベンダー接続ポイントの設定情報を指します。各ベンダーのエンドポイントアドレス、実際のAPI Key、利用可能なモデル、課金や利用制限などの情報を保持します。ゲートウェイはこれらのチャネル設定に基づき、アプリケーションのリクエストを対応するベンダーへルーティングします。本記事では、チャネルの追加・設定・テスト・管理方法について解説します。
前提条件
- ServBayがインストール・稼働しており、ServBayアカウントへログイン済みであること(チャネル追加にはログインが必要です)。
- 接続するAIベンダーの有効なAPI Keyを用意しておくこと(OllamaやLM Studioなどローカルベンダーの場合は不要)。
- AIゲートウェイ全体の構成が未把握の場合は、事前に AIゲートウェイの紹介 をご覧ください。
チャネルの追加
AIゲートウェイ → チャネル(Channels) ページで、追加(Add) をクリックするとウィザードが開きます。ウィザードは3ステップ構成です。
ステップ1:ベンダーの選択
ベンダーはカテゴリごとに分けて表示され、カードをクリックして選択します。
- 主流(Mainstream):OpenAI, Anthropic, Google Gemini, Azure OpenAI, AWS Bedrock, OpenRouter
- 中国(China):DeepSeek, 通義千問, 智谱GLM, Kimi, 豆包·火山, 文心一言, 混元, MiniMax, 零一万物, 階跃星辰
- ローカル(Local):Ollama, LM Studio
- カスタム(Custom):OpenAI Compatible, Custom
ベンダーを選択すると、そのベンダーのデフォルトBase URLが自動入力されます。
デュアルリージョン切替
通義千問、智谱GLM、Kimi、豆包·火山、混元、MiniMax、階跃星辰など中国系ベンダーは「中国国内」と「グローバル」2種類のエンドポイントを提供しています。このようなベンダーを選択すると、「リージョン」セレクター(🇨🇳 国内 / 🌐 グローバル)がウィザードに表示され、切り替えることでBase URLも自動的に各リージョンのものに変わります。
ステップ2:設定内容の入力
- チャネル名(必須) — 一覧で識別しやすい名称を自由に設定できます。
- Base URL(必須) — ベンダーのAPIアドレス。ほとんどのベンダーは自動入力されていますが、Azure OpenAIおよびCustomは手動入力が必要です。
- API Key(オプション) — ベンダーの実際のAPIキー。空欄の場合はエンドポイントの到達性テストのみ可能で、キーの有効性までは確認されません。ローカルベンダー(Ollama / LM Studio)は基本不要です。
- モデル — 以下2通りの方法いずれかで設定します:
- 自動検出:検出ボタンを押すと、ゲートウェイがベンダーのモデル一覧APIを呼び出し、利用可能なモデルがチップ型で複数選択できます。
- 手動入力:モデル名を直接入力します。Azureチャネルでは**デプロイメント名(Deployment name)**の入力が必要です(モデル名ではありません)。
- 優先度 / 重み — 複数のチャネルが同じモデルを扱える場合、ゲートウェイはこの設定をもとにルーティングや負荷分散を行います。
Azure OpenAIに関する注意
Azureチャネルの「モデル」項目には、Azureポータルで作成した**デプロイ名(Deployment name)**を入力してください(ベースとなるモデル名ではありません)。Base URLもご自身のAzureリソースのエンドポイントを設定してください。
ステップ3:確認と送信
設定内容を確認して送信します。登録に成功すると、新しいチャネルがチャネル一覧に追加され、リアルタイムでヘルスステータスが表示されます。
接続テスト
チャネル一覧から各チャネルごとに接続テストを実行できます。テストは次の2つの観点があります:
- エンドポイント到達性(reachable) — Base URLがネットワーク的に正しく到達できるか確認します。
- APIキーの有効性(authenticated) — ベンダーのAPIを実際に呼び出して、API Keyが有効か検証します(API Key入力時のみ実行されます)。
テスト結果として、往復遅延(ミリ秒)、ステータスアイコン、エラー情報が表示されます。
TIP
ウィザードで追加時、エンドポイント未到達の場合は次のステップに進めません。エンドポイントは到達できるがAPIキーが無効な場合は警告が表示され、続行することも可能です(後でAPI Keyを設定する予定の場合など)。
高度な設定
チャネルの追加または編集時に「高度な設定」を展開することで、コスト管理や利用制限を細かくコントロールできます。
- 課金倍率(Rate Multiplier) — ベンダー公式の料金に倍率を掛けて自身の原価や販売価格に合わせます。初期値は
1.0。 - 課金方式 — このチャネルの課金方式を定義します(従量課金制・サブスクリプション・パッケージなど)。
- 残高 — 固定値、OSS請求書、手動管理から選択できます。OSS請求書を選択した場合は、種類の指定も可能です。残高と更新時刻はチャネル詳細ページに読み取り専用で表示されます。
- サブスク有効期限 — サブスクリプションやパッケージ型チャネルについて有効期限を記録できます。
- 利用制限(VIP) — トークン数・リクエスト数または金額で上限を設定したり、日/週/月/カスタム周期および「許容ドリフト」を有効化して一定の超過も認められます。利用制限は有料機能です。
チャネルの編集や削除
- 編集 — チャネル一覧から対象チャネルを開き、名称・Base URL・API Key・モデルや高度な設定を変更できます。
- 削除 — チャネル削除後、依存している仮想キーはルーティングできなくなるため慎重に行ってください。
ヘルスステータス
チャネル一覧およびダッシュボード画面では、各チャネルの健康状態(正常/降格/利用不可)がリアルタイムで確認でき、失効したベンダーの設定も素早く把握できます。
よくある質問(FAQ)
- Q:チャネル追加時にログインが必要と表示されるのはなぜ?
- A:AIゲートウェイはServBayの有料機能です。チャネルやAPI Keyを追加するには、まずアカウントにログインしてください(画面案内に従いログインできます)。
- Q:チャネル数の上限と表示された場合は?
- A:作成できるチャネル数はご契約プランによって異なります。上限の場合は利用していないチャネルを削除するかプランをアップグレードしてください。
- Q:モデル自動検出で一覧が取得できない場合は?
- A:Base URLが正しいか、API Keyが有効かを確認してください(接続テストの「APIキー有効性」でも検証可能)。一部ベンダーは有効なAPI Keyがないとモデル一覧を返しません。手動でモデル名を入力することも可能です。
- Q:ローカルOllama/LM Studio利用時にAPI Keyは必要ですか?
- A:通常は不要です。ローカルサービスが起動しており、既定ポート(Ollama
11434、LM Studio1234)で待ち受けしていることを確認してください。
- A:通常は不要です。ローカルサービスが起動しており、既定ポート(Ollama
まとめ
チャネルはAIゲートウェイのリクエストルーティングの基盤となる設定です。3ステップのウィザードを使えば、20社近くのAIベンダーを素早く接続できます。デュアルリージョン切替やモデル自動検出、2段階の接続テストで正確な構成ができ、課金や利用制限の高度な制御も可能です。チャネルを構成したら、仮想キーを作成してアプリやツールから利用できます。
